離婚の公正証書の作り方
公正証書とは、公証役場で公証人が作成する文書のことです。離婚の条件を書いた公正証書(離婚給付等契約公正証書)に強制執行認諾文言を入れると、養育費などの支払いが遅れた場合に、裁判をせずに強制執行を申し立てられます。
公正証書にするとできること
強制執行認諾文言とは、お金の支払いが遅れたときに強制執行を受けることに、支払う人が同意する文言のことです。この文言の入った公正証書があれば、養育費・慰謝料・財産分与のお金の支払いが遅れた場合に、裁判をせずに相手の給料などの差押えを申し立てられます。
養育費は、一部の支払いが遅れた場合に、将来の分も含めて給料の差押えを申し立てられます。また、差し押さえられる給料の上限は、通常の借金では4分の1ですが、養育費では2分の1までです。
ただし、親子交流のように、お金の支払いでない取り決めは、公正証書で直接強制執行することはできません。
公正証書の作成に必要な書類
離婚の公正証書を作るときは、本人確認の書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)のほかに、次の書類が必要です。
| 書類 | 必要な場合 |
|---|---|
| 戸籍謄本 | 必ず必要です。離婚する前に作る場合は今の家族全員が記載されたもの、離婚した後に作る場合は夫婦それぞれの離婚後の戸籍謄本です。 |
| 不動産の登記事項証明書と固定資産税の納税通知書(または固定資産評価証明書) | 財産分与で不動産を相手に渡す場合に必要です。 |
| 年金手帳など(基礎年金番号がわかるもの) | 年金分割をする場合に必要です。 |
本人が公証役場に行けない場合は、代理人が作成できます。その場合は、本人の実印を押した委任状と本人の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)、代理人の本人確認の書類が必要です。
公証人の手数料
公証人の手数料は、政令(公証人手数料令)で全国同じに決まっています。この手数料は、公正証書に書くお金の額(目的の価額)で決まります。ただし、養育費のように毎月支払うお金は、5年分の合計が上限です。
たとえば、養育費が月5万円なら、5万円×12か月×5年で目的の価額は300万円になり、手数料は13,000円です。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円を超え500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円を超え3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円を超え5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 49,000円 |
このほかに、公正証書の正本・謄本を紙で受け取る場合は、1枚300円がかかります。
公正証書を作る場所
公正証書は、全国の公証役場で作れます。ただし、公正証書に書く内容は、先に夫婦で話し合って決めておきます。書く項目は、離婚協議書に書くことに記載しています。