離婚の手続きナビ

2026年4月からの離婚のルール

2026年4月1日に、父母が離婚した後の子どもの養育についての民法の改正が施行されました。この改正で、離婚した後の親権者を父母の双方(共同親権)とすることもできるようになり、法定養育費の制度ができ、財産分与の期限が5年に延びました。

2026年4月から変わったこと

項目2026年4月からのルール
離婚した後の親権者父母の双方(共同親権)か一方(単独親権)かを選べます。
法定養育費養育費を取り決めていなくても、子ども1人あたり月2万円を請求できます。
養育費の差押え取り決めの文書があれば、子ども1人あたり月8万円までは差押えを申し立てられます。
財産分与の期限離婚した日から5年です(2026年3月31日までの離婚は2年)。
年金分割の期限離婚した日の翌日から5年です(2026年3月31日までの離婚は2年)。

法定養育費と財産分与・年金分割の5年の期限は、2026年4月1日以後に離婚した人が対象です。

離婚した後の親権者の決め方

親権とは、子どもの世話や教育をし、子どもの財産を管理する権利と義務のことです。これまでは離婚した後の親権者を父母の一方に決めなければなりませんでしたが、2026年4月からは、父母の双方を親権者とすることもできます。

離婚の方法親権者を決める人
協議離婚父母が話し合って、双方か一方かを決めます。
話し合いがまとまらない場合・裁判離婚家庭裁判所が、子どもの利益の観点から、双方か一方かを決めます。

ただし、虐待のおそれがある場合や、DV(配偶者からの暴力)のおそれなどで父母が共同して親権を行うのが難しい場合は、家庭裁判所は必ず一方だけを親権者に決めます。また、離婚した後でも、子どもの利益のために必要な場合は、子どもや親族が家庭裁判所に親権者の変更を求められます。

共同親権の父母が親権を行う方法

父母の双方が親権者の場合は、原則として父母が共同して親権を行います。ただし、日々の生活で子どもに重大な影響を与えない行為と、子どもの利益のために急ぐ必要がある行為(DVや虐待からの避難、緊急の医療など)は、父母の一方だけで決められます。

一方だけで決められること(例)父母が共同で決めること(例)
食事や服装子どもの転居
短い観光の旅行進路に影響する進学先
心身に重大な影響を与えない医療・通常のワクチンの接種心身に重大な影響を与える医療
習い事・高校生のアルバイトの許可財産の管理(預金口座の開設など)

特定の事柄で父母の意見が対立する場合は、家庭裁判所が、その事柄について父母の一方を親権を行う人に指定できます。

法定養育費

法定養育費とは、養育費を取り決めていなくても、離婚したときから子どもを主に育てている親が、もう一方の親に請求できる暫定的な養育費のことです。額は子ども1人あたり月2万円で、離婚した日から発生し、支払う親は毎月末にその月の分を支払います。

法定養育費は、父母が養育費を取り決めた日、家庭裁判所の審判が確定した日、子どもが18歳になった日のうち、いずれか早い日まで発生します。ただし、支払う親が、支払う能力がないことなどを証明した場合は、支払いの全部か一部を拒めます。

法定養育費は、取り決めをするまでの暫定的な額です。そのため、父母の収入に応じた額を取り決めましょう。収入に応じた標準的な額は、養育費の計算で確認できます。

養育費の差押え(先取特権)

2026年4月から、養育費に先取特権(ほかの債権者より先に支払いを受けられる権利)が付きました。そのため、父母の間で作成した取り決めの文書があれば、公正証書や調停調書がなくても、子ども1人あたり月8万円までは相手の財産の差押えを申し立てられます。

2026年3月31日までに取り決めた養育費も、2026年4月1日以後に生じる分には先取特権が付きます。

財産分与の期限と分け方

財産分与を家庭裁判所に請求できる期間は、離婚した日から2年から5年に延びました。また、財産を築いたことへの夫婦の寄与は、家事や育児の分担も含め、原則として2分の1ずつとされました。くわしくは、財産分与の請求期限と分け方に記載しています。

親子交流

親子交流とは、子どもと離れて暮らす親と子どもが会ったり連絡を取ったりすることです。家庭裁判所は、調停・審判の手続きの間に、親子交流を試しに行うよう父母に促せるようになりました。

また、結婚している間に別居している場合の親子交流は、父母の話し合いで決め、まとまらない場合は家庭裁判所が決めることが明記されました。さらに、祖父母など父母以外の親族と子どもとの交流も、子どもの利益のため特に必要な場合は、家庭裁判所が定められるようになりました。

取り決めを文書にする

出典